ぼくのセカイ征服
「いやいやぁ…こちらのぉ、話です。お気になさらず…」
「…そうか。そう言うなら、深い詮索はしない。ただ、一つ忠告しておく。脈絡の無い介入や、大袈裟な相槌は無価値だ。今後は慎めよ…」
「は、はぁい…」
「…おお、怖い怖い。ゼロぉ、君もそんなに怖い目をするのは控えた方がいいんじゃない?」
不意に、部屋に風が吹き込む。窓辺に座った男の声はその風と共に、殺気を放つ男の頬を撫でた。
「ヘイト…ようやく、拗ねるのに飽きたようだな。」
「うん。そろそろ家に帰りたいなー、なんて思ってね。ってことで、早く終わらせようよ。」
「いいだろう…。俺も早く帰らなければ『魔法少女デストロイカ』の放送に間に合わなくなってしまうからな。」
「魔法…」
「…少女?」
「デストロイカ…!?」
「…って、ゼロ…」
「正気かい、アンタ!?」
「右にぃ、同じです。」
「あー、なかなか面白いよね、アレ。」
《………………………》
議論を進めるための言葉の合間に口をついて出た『会長』の不用意(?)な発言で、場の空気が完全に凍り付いた。これでは、進めるどころか逆に停止させてしまっている。
のだが、誰一人としてそこには触れず、また、『魔法少女デストロイカ』について聞く者もいなかった。
「お前達、馬鹿にするなよ…。あの番組はただのアニメとは違う!科学的根拠に基づいた『魔法』を行使し、腐りきった世界に報復をだ、な………ゴホン!すまない、話が脇道に逸れたな。ここから先が結論だ。今回、危険分子となりえるのはこの『チャリ部』のみ。『チャリ部』の危険度についてだが、調度真ん中の『放置は危険と判断する』だ。視察の者を派遣する事の必要性を強く認識し、至急、1〜2名の人員を送り込む事を決定する。異論はないな?」
半ば我を失い、自ら傷をほじくるような真似をし始めた『会長』だったが、皆の冷ややかな視線を一身に受け、ほんの少し前の己を呪いながら結論を下した。それに応じ、皆も首を縦に振ったのだが、一人だけ、異論とまではいかないにせよ、ある程度自分の意志に則った考えを唱える者がいた。
それは――
「…そうか。そう言うなら、深い詮索はしない。ただ、一つ忠告しておく。脈絡の無い介入や、大袈裟な相槌は無価値だ。今後は慎めよ…」
「は、はぁい…」
「…おお、怖い怖い。ゼロぉ、君もそんなに怖い目をするのは控えた方がいいんじゃない?」
不意に、部屋に風が吹き込む。窓辺に座った男の声はその風と共に、殺気を放つ男の頬を撫でた。
「ヘイト…ようやく、拗ねるのに飽きたようだな。」
「うん。そろそろ家に帰りたいなー、なんて思ってね。ってことで、早く終わらせようよ。」
「いいだろう…。俺も早く帰らなければ『魔法少女デストロイカ』の放送に間に合わなくなってしまうからな。」
「魔法…」
「…少女?」
「デストロイカ…!?」
「…って、ゼロ…」
「正気かい、アンタ!?」
「右にぃ、同じです。」
「あー、なかなか面白いよね、アレ。」
《………………………》
議論を進めるための言葉の合間に口をついて出た『会長』の不用意(?)な発言で、場の空気が完全に凍り付いた。これでは、進めるどころか逆に停止させてしまっている。
のだが、誰一人としてそこには触れず、また、『魔法少女デストロイカ』について聞く者もいなかった。
「お前達、馬鹿にするなよ…。あの番組はただのアニメとは違う!科学的根拠に基づいた『魔法』を行使し、腐りきった世界に報復をだ、な………ゴホン!すまない、話が脇道に逸れたな。ここから先が結論だ。今回、危険分子となりえるのはこの『チャリ部』のみ。『チャリ部』の危険度についてだが、調度真ん中の『放置は危険と判断する』だ。視察の者を派遣する事の必要性を強く認識し、至急、1〜2名の人員を送り込む事を決定する。異論はないな?」
半ば我を失い、自ら傷をほじくるような真似をし始めた『会長』だったが、皆の冷ややかな視線を一身に受け、ほんの少し前の己を呪いながら結論を下した。それに応じ、皆も首を縦に振ったのだが、一人だけ、異論とまではいかないにせよ、ある程度自分の意志に則った考えを唱える者がいた。
それは――