ぼくのセカイ征服
目の前の危機に思い至り、先刻よりもさらにたじろいだ僕は、だんまりを決め込んでいた。それに堪えられなかったのだろうか、突然、リーダー格の男が叫んだ。
「テメェ…俺達に何か用でもあるのか!?」
「いや、あの…すみません…」
「仕事の邪魔だ!殺されたくなけりゃ、さっさとお家に帰るんだな!」
「はい…」
僕はまた黙り込んで、男達から三歩ほど離れた。決して、逃げようとしているわけではない。ただ、状況を整理し、それによって、脳内にいくつか浮かぶであろう作戦を吟味しようと思っただけだ。
ふむふむ、相手は3人か…。この人数差、どうにかならないものか。流石に、全員同時に相手には出来ないな。話し合いで解決しそうな雰囲気でもなさそうだし…。もう、いっそこのまま帰ってしまおうか。
…おっと…こんな消極的な事は考えてはいけない。部員確保の為(いつの間にか利己心が良心に勝っているが、『それにツッコむのは酷だな。やめておこう。』と、ツッコむのは諦めて欲しい)、僕は、何が何でも少女を助けなければならない。そして、少女を助けるには、どうにもならないこの人数差を、どうにかするしかないのだ。
僕は、覚悟を決めた。
「おい!お前ら!」
少し離れた位置から、僕は男達に怒鳴った。当然、男達は怒り心頭の様相で、僕を睨み据える。
「テメェよぉ…帰れって言ったのが聞こえなかったのかぁ!?」
「ゴタゴタ言わずに、かかってこいよ!この腰抜けども!」
リーダー格の男に対して、僕は精一杯、虚勢を張った。そして、出来るだけ、端っからカケラすらありもしない闘争本能と、取り繕った敵対心を露にした。
仮にも、僕は世界征服を志す者。多少の武術くらいは心得て…いないんだった。
どうしよう…このまま戦っても、勝ち目はない。必ず殺される。
…それだけは避けたい。アスファルトの上で、今わの際を迎えるなんて、絶対に嫌だ。瀕死の状態で道路に寝転んで、「短い人生だったな…」なんて独り言を零しながら、人生を観照するのはもっと嫌だ。想像もしたくない。
というか。
さっきから考えが悪い方へ悪い方へと進む。結局、戦うのは無理そうだな。それなら…
逃げる!!
どうやら僕には、闘争本能ならぬ、逃走本能というモノがあったらしい。
「テメェ…俺達に何か用でもあるのか!?」
「いや、あの…すみません…」
「仕事の邪魔だ!殺されたくなけりゃ、さっさとお家に帰るんだな!」
「はい…」
僕はまた黙り込んで、男達から三歩ほど離れた。決して、逃げようとしているわけではない。ただ、状況を整理し、それによって、脳内にいくつか浮かぶであろう作戦を吟味しようと思っただけだ。
ふむふむ、相手は3人か…。この人数差、どうにかならないものか。流石に、全員同時に相手には出来ないな。話し合いで解決しそうな雰囲気でもなさそうだし…。もう、いっそこのまま帰ってしまおうか。
…おっと…こんな消極的な事は考えてはいけない。部員確保の為(いつの間にか利己心が良心に勝っているが、『それにツッコむのは酷だな。やめておこう。』と、ツッコむのは諦めて欲しい)、僕は、何が何でも少女を助けなければならない。そして、少女を助けるには、どうにもならないこの人数差を、どうにかするしかないのだ。
僕は、覚悟を決めた。
「おい!お前ら!」
少し離れた位置から、僕は男達に怒鳴った。当然、男達は怒り心頭の様相で、僕を睨み据える。
「テメェよぉ…帰れって言ったのが聞こえなかったのかぁ!?」
「ゴタゴタ言わずに、かかってこいよ!この腰抜けども!」
リーダー格の男に対して、僕は精一杯、虚勢を張った。そして、出来るだけ、端っからカケラすらありもしない闘争本能と、取り繕った敵対心を露にした。
仮にも、僕は世界征服を志す者。多少の武術くらいは心得て…いないんだった。
どうしよう…このまま戦っても、勝ち目はない。必ず殺される。
…それだけは避けたい。アスファルトの上で、今わの際を迎えるなんて、絶対に嫌だ。瀕死の状態で道路に寝転んで、「短い人生だったな…」なんて独り言を零しながら、人生を観照するのはもっと嫌だ。想像もしたくない。
というか。
さっきから考えが悪い方へ悪い方へと進む。結局、戦うのは無理そうだな。それなら…
逃げる!!
どうやら僕には、闘争本能ならぬ、逃走本能というモノがあったらしい。