禁断の契約論


ガラガラ。
「失礼しまーす!あ、桜井先生ー!おはようございますっ!」


「おはよう!今日の数学はプリントだからね。」



「プリント…??なんか嫌な予感…」



「それ、私も思う…先生。授業もう始まりますよ?」



「そうね。でも、どうして?」



「いや、それは…」



キーンコーンカーンコーン


「はい!授業を始めます。有栖川さん号令お願いね」



「あ…はい。起立。礼……着席。」



「それでは、プリント配るねー!」


友乃がこっそり私に耳打ちをする。


「きっと、桜井先生今日もだね…」


「きっとね…」


先生はプリントを配り始めた。
私は、手元に来たプリントを見つめる。



「あのぉー!先生」



「あら、どうしたの?野原さん?」



「これ、英語のプリントですけど?」



「えっ!?あ、本当だ!皆ごめんね〜。ちょっと取ってくるから待ってて!!」


先生は小走りで教室を出ていく。



「やっぱりね。もう何回目よ…(笑)」



「今週だけでもう、2回。」



「まぁ…まだ2回だし…先生も色々あるんだよ…」


「佳凜は本当甘いな〜。ただ単にあの先生ド天然なだけよ。」



そう、私達の数学の先生。
桜井百華(モモカ)。
どが付くほどの天然。



まったく困ったものだ…。
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