禁断の契約論


理科の授業が終わった。


「次は…体育だっけな?」


「そーだよ〜!」


「早く行こ!」



体育館に移動する途中、高等部の先輩達が先生と話をしていた。



「あ!龍兄ちゃんっっ!!」


「おぅ!朱花音…大丈夫か?」


「え、何が?」


「まぁ…その調子じゃ大丈夫そうだな…」


「うん」


この人は、
川西龍馬。
高校2年生で私の従兄弟。
同じ美希に通ってるんだ。


そして…


「朱花音ちゃん。この間はありがとうね。すごく楽しかった。」


「いえ、私も寧音先輩と映画行けて嬉しかったです。」



月森寧音(ネネ)。
高校2年生で龍兄ちゃんの彼女。
すごく優しくて私大好きなの。



「4人とも体育か?」


「はい。ね、朱花音!急がないと…!」


「そーだね!じゃ龍兄ちゃんも授業サボっちゃだめだよ?」


「誰がサボるかよ…」





体育館に着くともう先生は来ていた。



「よ!遅いじゃん!次は中3だったんだな…妃奈がいるとすぐ分かるからな。いろんな意味で…(笑)」


「は?何言ってんの?体育とか…だるー」


「妃奈って宮西先生に対して冷たいよね…。」


「そうだよね…どうしてなの?妃奈ちゃん。」


「気に入らないから」


「そうなの…?」



宮西大介先生。
私達の体育担当。
かなりの熱血で妃奈に対しての態度が私達と何故か違う。



「先生は今回の事件のことどう思ってるんですか?」



「そりゃあこれ以上生徒がいなくなるのはごめんだ!」



「先生なら1人でもやっていけるでしょ…」



「妃奈ーっっ!!お前ってやつは…」



「本当のことでしょ?」



「まぁそうかもしれないが、俺達教師にとって生徒は大事なんだよ」



「宮西先生…」



「何かあったらなんでも言うんだぞ。」



「はい」





今私が心から思ったことがある。





先生は私達の味方なんだってこと。
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