禁断の契約論
職員会議
私達がこう話をしている間に職員室では職員会議が開かれていた。
「えぇ、今起きている事件のことについてなにか分かっていることがある先生は挙手お願いします。」
教頭先生と思われる人が全職員に語りかける。
「はい。実はこの事件、妙なものが現場に残されているんです。」
「妙なもの?」
「はい。この1輪の赤い薔薇」
「薔薇…?」
「これは犯人からのメッセージ…だとすると7年前に起きた事件に似ていると思いませんか?」
「まさか…あんな恐ろしい事が今起ころうとしていると?」
「そうしか考えられないでしょう…これだけの生徒が犠牲になり犯人の目撃者が1人もいないのですから…。」
「ということは、ヴァンパイアの仕業だと…?」
「はい。」
職員室内に緊張がはしった。
7年前…そう初めてヴァンパイアがこの学園に現れた時のこと。
7年前も生徒が次々と何者かに殺害されていた。
お姉ちゃんがいなくなったのも7年前の満月の夜。
殺害された生徒達の表情は青白かった。
おそらく全部の血を吸い尽くされた後だろう。
「先生方!!生徒達の監視を努めてください。決してこれ以上犠牲者を出すわけにはいきません。」
『はいっ!!!!』
「今日はこれで解散です。お疲れ様でした。」
午前の職員会議が幕を閉じた。