餃子
斎藤「一応、書いて来ましたけど…」

マスター「おぉ、やるねぇ。嬉しいなぁ。どれ」

斎藤「これですけど…」

斎藤は、汚ないカバンから一冊のスケッチブックを出した。

それをマスターに渡す。

嬉しい瞬間だ。

マスターは、さも欲しそうに、受け取ってくれた。

本当に欲しいかどうかは、分からない。
大人の優しさなのかも知れない。
でも、いいのだ。
今は、少し、このマスターの優しさに、甘えさせて貰うとしよう。。

マスター「へぇ、うまいもんだ。。これ、どこ?」

斎藤「近所の河原ですね。。綺麗なとこがあるんですよ。車で通るたび、いつか描きたいな、って思ってて。」

マスター「うまいよ。いいね、落ち着く」

斎藤「お世辞でも嬉しいです」

マスター「お世辞と愛想笑いだけは苦手でね。」

斎藤「そうなんですか。」

マスター「するけどさ。」

斎藤「するんすか。」

マスター「するさ。そりゃ。わりと嫌いじゃない」

斎藤「どっちすか。」

マスター「…好きだな。どっちかつぅと。最近な!コーヒーおかわりどうや?」

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