恋に落ちたきっかけは
私はそこにいることが息が詰まりそうになったようで先輩のスーツを掴んで逃げるように離れていった。
「おい、早乙女、あいつ、元彼か?」
やっぱり、黒崎部長にばれた。
やっぱり、わかるよねえ~。最悪。
もしかして今日の占い12位だった?
どうなんだ、と返事を催促してくる黒崎部長に対して私は正直に答えた。
笑わなきゃ、これ以上、虚しい所見せたくない。
「そうなんですよ~。でももう新しい彼女いましたよね!すごいきれいで大人の女性って感じでしたね~あんなきれいな子捕まえちゃって本当にすご「そんな、泣きそうな顔すんな」
じーっとまばたきもしないで見てくる黒崎部長の目は鋭い。
「泣いていませんって」
「…」
「ほんとに、泣いてな…」
けれどそういいかけた瞬間、1つの涙が頬を伝ってかわいたアスファルトへポロっとこぼれた。
黒崎部長はなにも言わず私の顔を黒崎部長の胸へと押しつけた。
まるで赤ちゃんを泣き止ませるように優しくポンポンと頭を撫でるのだ。