呪われ姫と強運の髭騎士
「シスターに依頼されたと。『ただの聖水だと味気ない。いつでもつけられるように化粧水を作りました。これを聖水に変化させてください』と」
「化粧水の聖水……」
瓶の蓋を開ける。
様々な花の香りが、ソニアを包むようでとても心地好い。
「良い香り……。心が落ち着いてくるわ……」
「ソニアにとって今度の生誕祭は社交界デビューでしょう? だから、少々お洒落なものをと考えたのですよ」
でも香水の方が良かったかしら? と微苦笑するシスターに「いいえ」と首を振る。
「とても嬉しいです! ありがとうございます!」
今回が自分にとって社交界デビューになることさえ頭から抜けていたのに、シスターは気をきかせて贈り物を用意してくれていた。
本当に嬉しい――なのに。
(心の底から素直に喜べないなんて……)
何か裏があるんじゃないか
全てを話してくれないのはまだ一人前としてみていないのに、そのくせ、大人の仲間入りする社交界デビューにはいそいそと贈り物をこしらえて。
化粧水の中に危険な物が入っているかもしれない――なんて思うなんて。
「化粧水の聖水……」
瓶の蓋を開ける。
様々な花の香りが、ソニアを包むようでとても心地好い。
「良い香り……。心が落ち着いてくるわ……」
「ソニアにとって今度の生誕祭は社交界デビューでしょう? だから、少々お洒落なものをと考えたのですよ」
でも香水の方が良かったかしら? と微苦笑するシスターに「いいえ」と首を振る。
「とても嬉しいです! ありがとうございます!」
今回が自分にとって社交界デビューになることさえ頭から抜けていたのに、シスターは気をきかせて贈り物を用意してくれていた。
本当に嬉しい――なのに。
(心の底から素直に喜べないなんて……)
何か裏があるんじゃないか
全てを話してくれないのはまだ一人前としてみていないのに、そのくせ、大人の仲間入りする社交界デビューにはいそいそと贈り物をこしらえて。
化粧水の中に危険な物が入っているかもしれない――なんて思うなんて。