呪われ姫と強運の髭騎士

(2)

 生誕祭では昼間の明るいうち、パトリス王がメインバルコニーに登場し民衆に手を振りスピーチをする。
 
 そこには王妃、王子達が共に姿を見せ、民衆達の歓声に応えていた。
 
 そして夕方からは王宮の大広間にて、各地から祝辞にやって来た貴族達と一人一人話をすのだ。
 
 壇上の中央に設置された豪奢な椅子にはパトリス王が威厳を放ち来客を迎え、その横で気品ある笑みを浮かべ王妃が座っている。
 
 反対の椅子には次期王位を継ぐ王太子・アロイスが座り、残りの王子・王女達は壇上の端に設置された椅子に座り、細いテーブルに並べられた食事を摘んでいた。
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