呪われ姫と強運の髭騎士
「クレア家・ご当主、ソニア・ド・クレア様。並びにクリスフォード・ル・コルトー様です」
名を呼ばれ、赤い絨毯の上を仰々しく歩いて、パトリスの御前まで行くと公式の挨拶をする。
(この公式の挨拶って疲れるし、ドレスの中は絶対見せられないわ……)
左右に足を広げ、膝を曲げて腰を低くするのだ。
そう――がに股。
結構、太股にくる。パトリスが「顔を上げよ」と言うまで、この体勢を保たなければならない。
(辛いけど、平静を装って頭を下げているのが淑女の嗜み)
ソニアはそう踏ん張って耐える。
「顔を上げよ」
内心ホッとしながら、微笑みを作り顔を上げた。
「ソニア、久しぶりだね。久しぶりの実家はどうだった?」
王の威厳を持ちながらもいつもの優しい口調にソニアはホッとする。
パトリスと、こうした正式な場所で会うのは初めてだったのだ。
名を呼ばれ、赤い絨毯の上を仰々しく歩いて、パトリスの御前まで行くと公式の挨拶をする。
(この公式の挨拶って疲れるし、ドレスの中は絶対見せられないわ……)
左右に足を広げ、膝を曲げて腰を低くするのだ。
そう――がに股。
結構、太股にくる。パトリスが「顔を上げよ」と言うまで、この体勢を保たなければならない。
(辛いけど、平静を装って頭を下げているのが淑女の嗜み)
ソニアはそう踏ん張って耐える。
「顔を上げよ」
内心ホッとしながら、微笑みを作り顔を上げた。
「ソニア、久しぶりだね。久しぶりの実家はどうだった?」
王の威厳を持ちながらもいつもの優しい口調にソニアはホッとする。
パトリスと、こうした正式な場所で会うのは初めてだったのだ。