呪われ姫と強運の髭騎士
――良いのかしら?
ソニアは、疑問に思ったことを隣のクリスに尋ねた。
「結婚の式が延びたこと……王にお話しをしなくて良かったのですか?」
ああ、とクリスは口を開いた。
「事前に手紙で事情を書いて送っております。こうして他の貴族の目がある中で式の延期を話されると、余計な勘ぐりを起こす者が出て参りますから、王もあえて話題にはしなかったのでしょう」
「でも、クリス様と私のこと、誤解なさっている方が多いのではないのでしょうか……? 『護衛』と思っている方もいらしゃるように感じられます」
ピタリ、とクリスの足が止まる。
「?」
驚いたように麦色の瞳を大きく開けて、ソニアを見つめている。
「あ、あの……? 私何かおかしなことを言いました?」
「……それは『婚約者と見られても構わない』と言うことですか?」
逆に尋ねられ、今度はソニアが瞳を大きくする番だった。
「……」
「……」
何となく気まずくなり、お互い下を向く。
自然離れた手は、モジモジと頼りなく自分の指を撫でていた。
ちらりとクリスの方を見上げてみれば、クリスも顔を赤くして拳を口に当てている。
ゴホン、とクリスが一つ咳払いをした。それが合図のようにソニアは顔を上げた。
「その、まだ、私が苦手ではないかと、それで、もう少し、このままでいようかと、それに、その、姫君は修道院から出てまだ間もないですし、社交界にデビューしたのですし、しばらくは羽を伸ばされてもよろしいかと……」
――えっ?
ソニアは、疑問に思ったことを隣のクリスに尋ねた。
「結婚の式が延びたこと……王にお話しをしなくて良かったのですか?」
ああ、とクリスは口を開いた。
「事前に手紙で事情を書いて送っております。こうして他の貴族の目がある中で式の延期を話されると、余計な勘ぐりを起こす者が出て参りますから、王もあえて話題にはしなかったのでしょう」
「でも、クリス様と私のこと、誤解なさっている方が多いのではないのでしょうか……? 『護衛』と思っている方もいらしゃるように感じられます」
ピタリ、とクリスの足が止まる。
「?」
驚いたように麦色の瞳を大きく開けて、ソニアを見つめている。
「あ、あの……? 私何かおかしなことを言いました?」
「……それは『婚約者と見られても構わない』と言うことですか?」
逆に尋ねられ、今度はソニアが瞳を大きくする番だった。
「……」
「……」
何となく気まずくなり、お互い下を向く。
自然離れた手は、モジモジと頼りなく自分の指を撫でていた。
ちらりとクリスの方を見上げてみれば、クリスも顔を赤くして拳を口に当てている。
ゴホン、とクリスが一つ咳払いをした。それが合図のようにソニアは顔を上げた。
「その、まだ、私が苦手ではないかと、それで、もう少し、このままでいようかと、それに、その、姫君は修道院から出てまだ間もないですし、社交界にデビューしたのですし、しばらくは羽を伸ばされてもよろしいかと……」
――えっ?