呪われ姫と強運の髭騎士
――そうして。
「ソニア……お茶」
パメラが、ソーサーごとソニアの前に差し出す。
「貴女付きの侍女だけど、こんな状態だから私が頼んだの」
飲んで、と再度勧められて手に取る。
手の込んだ造りの楕円のテーブルには、ビスケットやレイヤーケーキなどの軽食まで用意されていた。
真っ赤になった瞳で控えている侍女見上げると、彼女はゆるりと微笑んで軽く頷く。
「……ありがとう」
そう言ってソニアは、湯気が揺らぐ琥珀色に染まる茶に口をつけた。
まろやかな甘い味が口内の渇きを埋めて、ホッと息をつく。
泣きすぎて、喉がカラカラに渇いていたのだと気付いた。
「パメラは凄いわ」
「何が?」
いきなり称賛されて、キョトンとした顔をするパメラにソニアはゆるりと微笑んだ。
「私の今の状態を見て、押し付けがましくない気遣いが出来て、こうやって欲しい物をそっと渡してくれる……修道院にいた頃からずっと思ってた。さりげないけど、温かくてこじれた心が溶けて綻ぶ――そんな労り方をパメラは出来る。……きっと貴女を妻に出来た人は、最高に幸せな日常を送れると思うの」
そのソニアの告白を黙って聞いていたパメラが
「――違うわ」
と、唸るような低い声音で返し、今度はソニアを驚かす。
「ソニア……お茶」
パメラが、ソーサーごとソニアの前に差し出す。
「貴女付きの侍女だけど、こんな状態だから私が頼んだの」
飲んで、と再度勧められて手に取る。
手の込んだ造りの楕円のテーブルには、ビスケットやレイヤーケーキなどの軽食まで用意されていた。
真っ赤になった瞳で控えている侍女見上げると、彼女はゆるりと微笑んで軽く頷く。
「……ありがとう」
そう言ってソニアは、湯気が揺らぐ琥珀色に染まる茶に口をつけた。
まろやかな甘い味が口内の渇きを埋めて、ホッと息をつく。
泣きすぎて、喉がカラカラに渇いていたのだと気付いた。
「パメラは凄いわ」
「何が?」
いきなり称賛されて、キョトンとした顔をするパメラにソニアはゆるりと微笑んだ。
「私の今の状態を見て、押し付けがましくない気遣いが出来て、こうやって欲しい物をそっと渡してくれる……修道院にいた頃からずっと思ってた。さりげないけど、温かくてこじれた心が溶けて綻ぶ――そんな労り方をパメラは出来る。……きっと貴女を妻に出来た人は、最高に幸せな日常を送れると思うの」
そのソニアの告白を黙って聞いていたパメラが
「――違うわ」
と、唸るような低い声音で返し、今度はソニアを驚かす。