呪われ姫と強運の髭騎士
「クリス様はご長男でしたか……? 確か三番目か四番目だった記憶が……」
ほお、とクリスが感心したように声を上げた。
「三番目です、よく覚えていらっしゃる」
「その……セヴラン様がクリス様とお話ししていらっしゃっている所を、横で聞いていただけで……」
さすがに言いづらい。
その時もセヴランが興味深々で、矢次場に質問していたのを自分は聞いていただけなのだから。
ただ、当時好きな人が興味を持つ人の話を聞いて、その場を共有したかっただけ。
しかも、今回だってセヴランと結婚できるんだと思い込んで、彼に恥をかかせてしまった。
「そうですか。それでも大した記憶力ですよ、とうのセヴラン様は、私がコルトー家の何番めだったかなど忘れておいででしたから」
「まあ……!」
困ったように笑うクリスが、段々気の良いおじ様に見えてきて、ソニアは少しだけ胸のつかえがとれた気がした。
少し、くだけてきた身体が証明してくれる。
それでもまだ疑問はあるし、まだ髭面は怖い。
ほお、とクリスが感心したように声を上げた。
「三番目です、よく覚えていらっしゃる」
「その……セヴラン様がクリス様とお話ししていらっしゃっている所を、横で聞いていただけで……」
さすがに言いづらい。
その時もセヴランが興味深々で、矢次場に質問していたのを自分は聞いていただけなのだから。
ただ、当時好きな人が興味を持つ人の話を聞いて、その場を共有したかっただけ。
しかも、今回だってセヴランと結婚できるんだと思い込んで、彼に恥をかかせてしまった。
「そうですか。それでも大した記憶力ですよ、とうのセヴラン様は、私がコルトー家の何番めだったかなど忘れておいででしたから」
「まあ……!」
困ったように笑うクリスが、段々気の良いおじ様に見えてきて、ソニアは少しだけ胸のつかえがとれた気がした。
少し、くだけてきた身体が証明してくれる。
それでもまだ疑問はあるし、まだ髭面は怖い。