呪われ姫と強運の髭騎士
その時、クリスが動いた。
猛突進する闘牛のように、パメラに向かって飛びついていったのだ。
「このお方から離れろ!」
そうしっかりと抱き締めた――はずだった。
フッ、とパメラの身体が消えた。
「―― !」
クリスの腕を通り抜けたパメラの身体は、足も動かさずそのまま滑るように、バルコニーに向かっていく。
<アハハハハハハハハハハ!>
と、大きな口を開けて笑い、首をグルグルと回しながら。
三百六十度に回転しながら笑う首に、ソニアは卒倒しそうだった。
遠くで退避していた王妃は、それを見て既に卒倒していた。
首は後ろ向きで止まると同時、身体も動きを止めた。
そして、急いでソニアの元に戻り彼女を抱き締めるクリス。
そして、恐怖で震えているソニアに向かって、
<この少女の身体は、クレア家の最後の血筋であるソニアと引き替えだ。クレア城の祈祷所で待っているぞ>
そう言い放つと、闇に消えた。
猛突進する闘牛のように、パメラに向かって飛びついていったのだ。
「このお方から離れろ!」
そうしっかりと抱き締めた――はずだった。
フッ、とパメラの身体が消えた。
「―― !」
クリスの腕を通り抜けたパメラの身体は、足も動かさずそのまま滑るように、バルコニーに向かっていく。
<アハハハハハハハハハハ!>
と、大きな口を開けて笑い、首をグルグルと回しながら。
三百六十度に回転しながら笑う首に、ソニアは卒倒しそうだった。
遠くで退避していた王妃は、それを見て既に卒倒していた。
首は後ろ向きで止まると同時、身体も動きを止めた。
そして、急いでソニアの元に戻り彼女を抱き締めるクリス。
そして、恐怖で震えているソニアに向かって、
<この少女の身体は、クレア家の最後の血筋であるソニアと引き替えだ。クレア城の祈祷所で待っているぞ>
そう言い放つと、闇に消えた。