呪われ姫と強運の髭騎士
(5)
<―― !>
バフォメットが気付いた時には遅かった。
蓋が開き、パメラめがけて化粧水が飛沫をあげる。
<何をする!>
ソニアの理解できない行動に批難する言葉と、空を切り裂く悲鳴が響いた。
「パメラ!」
ソニアはパメラに飛び付き、その柔らかな身体を抱き締めた。
絶対に離さないというように強く。
「パメラ! 目を覚まして! 負けないで!」
<ぅうっ……! クレア家の娘! 貴様、聖水を身体に付けて! 離せ、熱い!>
肉の焼けるような臭いが、ソニアの鼻孔を刺激した。
<止めろ、離せ! この娘の身体が焼けるぞ!>
もがき苦しみながらソニアに訴えるが、彼女はますますしがみついた。
「焼けて苦しいのは、パメラじゃないわ! パメラの身体の中にいる貴方よ! これはパメラが作ってくれた物よ! 自分で火傷するようなものを作るわけがないわ! ――パメラ! 聞いて! 私、貴女が大好きよ! 貴女に嫌われていても良い! これから友人として付き合えなくても良い! 貴女が嫌いでも私は……貴女を嫌いになれない! だって、貴女がいてくれたから私は救われたんだもの! 今度は私がパメラを救いたいの! ――パメラ、目を覚まして! 助けるから! 絶対に助けるから!」
「ソ……ニ、ア……」
パメラの声だ。
(パメラ、パメラ!)
「負けないで! 負けないで! 悪い奴等を追い出して!」
「私、もソニアが……だい……好き……」
バフォメットが気付いた時には遅かった。
蓋が開き、パメラめがけて化粧水が飛沫をあげる。
<何をする!>
ソニアの理解できない行動に批難する言葉と、空を切り裂く悲鳴が響いた。
「パメラ!」
ソニアはパメラに飛び付き、その柔らかな身体を抱き締めた。
絶対に離さないというように強く。
「パメラ! 目を覚まして! 負けないで!」
<ぅうっ……! クレア家の娘! 貴様、聖水を身体に付けて! 離せ、熱い!>
肉の焼けるような臭いが、ソニアの鼻孔を刺激した。
<止めろ、離せ! この娘の身体が焼けるぞ!>
もがき苦しみながらソニアに訴えるが、彼女はますますしがみついた。
「焼けて苦しいのは、パメラじゃないわ! パメラの身体の中にいる貴方よ! これはパメラが作ってくれた物よ! 自分で火傷するようなものを作るわけがないわ! ――パメラ! 聞いて! 私、貴女が大好きよ! 貴女に嫌われていても良い! これから友人として付き合えなくても良い! 貴女が嫌いでも私は……貴女を嫌いになれない! だって、貴女がいてくれたから私は救われたんだもの! 今度は私がパメラを救いたいの! ――パメラ、目を覚まして! 助けるから! 絶対に助けるから!」
「ソ……ニ、ア……」
パメラの声だ。
(パメラ、パメラ!)
「負けないで! 負けないで! 悪い奴等を追い出して!」
「私、もソニアが……だい……好き……」