呪われ姫と強運の髭騎士
あの時の彼の手の温かさを、ソニアは忘れてはいない。
『もう、大丈夫ですね……?』
そう微笑んで、騎士らしく手の甲に恭しく口付けを落とし、去っていった。
「セヴラン様を鍛え直す日々でお忙しい、とお手紙に書いてあったけど、今回の夏至祭のエスコートをクリス様にお願いをしたの」
「それでお返事は? 頂けた?」
「ええ、クレア城に毎日沢山の求婚者からの贈り物やお手紙や、ご訪問まで来るお方がいますが、急に大勢の方から求婚されて誰を選んでも喧嘩に発展しそうだから、お顔の広いクリス様にご相談にのって頂きたいと――そう付け加えたの。そうしたら快い承諾をもらえたわ」
その内容を聞いて、パメラはホッと安堵した。
勿論、それはソニアの気持ちを知っているからだ。
パメラは、向かい側に座るソニアの手をしっかりと握る。
「影ながら応援しているわ!」
「ありがとう、パメラ」
夏至祭で、私の気持ちを余すことなくお伝えしたい――
例えクリス様が、私を一人の女性として見ていなくても……
『もう、大丈夫ですね……?』
そう微笑んで、騎士らしく手の甲に恭しく口付けを落とし、去っていった。
「セヴラン様を鍛え直す日々でお忙しい、とお手紙に書いてあったけど、今回の夏至祭のエスコートをクリス様にお願いをしたの」
「それでお返事は? 頂けた?」
「ええ、クレア城に毎日沢山の求婚者からの贈り物やお手紙や、ご訪問まで来るお方がいますが、急に大勢の方から求婚されて誰を選んでも喧嘩に発展しそうだから、お顔の広いクリス様にご相談にのって頂きたいと――そう付け加えたの。そうしたら快い承諾をもらえたわ」
その内容を聞いて、パメラはホッと安堵した。
勿論、それはソニアの気持ちを知っているからだ。
パメラは、向かい側に座るソニアの手をしっかりと握る。
「影ながら応援しているわ!」
「ありがとう、パメラ」
夏至祭で、私の気持ちを余すことなくお伝えしたい――
例えクリス様が、私を一人の女性として見ていなくても……