呪われ姫と強運の髭騎士
(3)
会場は熱気に溢れていた。
人と人が一つの場所に集まり、踊り、酒をのみ、仮面の奥に隠れた表情を読み取りながら会話をする。
仮面を外すとそこには美麗に微笑む顔があるのか、嫌悪に染まった醜女か醜男か――
互いが互いを探る眼差しが皆、強烈に熱い。
それさえも、会場の熱気を作り、更に周囲を煽る。
「あつっ……!」
ソニアも熱気に煽られ、逆上せたように顔が熱い。
「外で涼みましょうか?」
クリスが、近くで給仕をしていた侍女から炭酸水の入ったグラスを二つ取り、一つをソニアに渡す。
会話をしながらバルコニーに出た。
バルコニーには既に何組かの先客がいて、初夏の夜に相応しい触れ合いを見せていた。
「――もっと違う場所を用意しております」
クリスはベランダの柵の鍵を開けて、扉からソニアを連れて中庭に出た。
今咲き誇るバラ園を通り過ぎ、あちらこちらに接地された篝火を通る。
人と人が一つの場所に集まり、踊り、酒をのみ、仮面の奥に隠れた表情を読み取りながら会話をする。
仮面を外すとそこには美麗に微笑む顔があるのか、嫌悪に染まった醜女か醜男か――
互いが互いを探る眼差しが皆、強烈に熱い。
それさえも、会場の熱気を作り、更に周囲を煽る。
「あつっ……!」
ソニアも熱気に煽られ、逆上せたように顔が熱い。
「外で涼みましょうか?」
クリスが、近くで給仕をしていた侍女から炭酸水の入ったグラスを二つ取り、一つをソニアに渡す。
会話をしながらバルコニーに出た。
バルコニーには既に何組かの先客がいて、初夏の夜に相応しい触れ合いを見せていた。
「――もっと違う場所を用意しております」
クリスはベランダの柵の鍵を開けて、扉からソニアを連れて中庭に出た。
今咲き誇るバラ園を通り過ぎ、あちらこちらに接地された篝火を通る。