呪われ姫と強運の髭騎士
そして代表であるこの城の城代のマチューがソニアとクリスを迎える。
「お帰りなさいませ、ソニア様! そして、ようこそいらっしゃいました! ソニア様のご婚約者・クリスフォード・コルトー様!」
ソニアはマチューの今の姿に目を見張り、先程まで強い怒りにつり上がっていた目尻を下げた。
代わりヒヤシンス色の瞳が憐憫に揺れる。
老輩だが、重職に就く誇りが身体中に溢れて若々しかったマチューが、まるで一気に歳をとったように顔の皺が増えて髪の艶は無くなり、真白に変化をしていた。
そして歳ながらも真っ直ぐに伸びていた背筋は、身体の負担を隠せないように丸くなっていた。
それでも明朗に声を出し、嬉しさを隠せない様子で自分を迎え入れるマチューの姿に、ソニアは心を打たれたのだ。
一月前、彼がクレア家の運営の報告に修道院に出向いた時には若々しい、いつものマチューだった。
彼をここまで変えた気苦労が、この一ヶ月の間にあったのだろう――それが恐らく、クレア城に関してのことだとソニアは直感した。
「お帰りなさいませ、ソニア様! そして、ようこそいらっしゃいました! ソニア様のご婚約者・クリスフォード・コルトー様!」
ソニアはマチューの今の姿に目を見張り、先程まで強い怒りにつり上がっていた目尻を下げた。
代わりヒヤシンス色の瞳が憐憫に揺れる。
老輩だが、重職に就く誇りが身体中に溢れて若々しかったマチューが、まるで一気に歳をとったように顔の皺が増えて髪の艶は無くなり、真白に変化をしていた。
そして歳ながらも真っ直ぐに伸びていた背筋は、身体の負担を隠せないように丸くなっていた。
それでも明朗に声を出し、嬉しさを隠せない様子で自分を迎え入れるマチューの姿に、ソニアは心を打たれたのだ。
一月前、彼がクレア家の運営の報告に修道院に出向いた時には若々しい、いつものマチューだった。
彼をここまで変えた気苦労が、この一ヶ月の間にあったのだろう――それが恐らく、クレア城に関してのことだとソニアは直感した。