呪われ姫と強運の髭騎士
「けどクリス様。この結婚はパトリス王がお決めになったもの。王の仲介で結婚する者は王も式に参加されるはずですから、王の予定に合わせた式の日にちに決定されるかと。私達の勝手で予定の変更は出来ないのでは?」
「それなら問題はありませんよ」
「えっ? 大丈夫なのですか?」
「今度、一月後に王宮でパトリス王の生誕祝いの舞踏会が行われます。そこで私達の結婚のお披露目も行う予定と。それは通達がきていらっしゃいましたよね?」
「はい、勿体ない話です。私達のために」
「姫君は王の従姉妹の娘に当たる方。親族で王は被後継人。しかも、国最大の保有財産をお持ちです。何よりも王は、姫君を本当の娘のように思っていらっしゃられますから、共に祝えるのが嬉しいのでしょう」
「なら尚更、結婚式を延期するなんて王が知ったら、お嘆きになるのでは……」
「憂いに満ちた表情で来た花嫁の貴女を見るよりは、ずっと良いと王もきっと思うでしょう」
思わずソニアは自分の頬に触れた。
「私、そんな不安な顔をしていますか?」
「勿論、姫君にそんな顔をさせる原因が結婚だけでないと承知ですから。どうかそんなに困らずに」
眉尻を下げて瞳を伏せるソニアに、クリスはそう付け足す。
「それなら問題はありませんよ」
「えっ? 大丈夫なのですか?」
「今度、一月後に王宮でパトリス王の生誕祝いの舞踏会が行われます。そこで私達の結婚のお披露目も行う予定と。それは通達がきていらっしゃいましたよね?」
「はい、勿体ない話です。私達のために」
「姫君は王の従姉妹の娘に当たる方。親族で王は被後継人。しかも、国最大の保有財産をお持ちです。何よりも王は、姫君を本当の娘のように思っていらっしゃられますから、共に祝えるのが嬉しいのでしょう」
「なら尚更、結婚式を延期するなんて王が知ったら、お嘆きになるのでは……」
「憂いに満ちた表情で来た花嫁の貴女を見るよりは、ずっと良いと王もきっと思うでしょう」
思わずソニアは自分の頬に触れた。
「私、そんな不安な顔をしていますか?」
「勿論、姫君にそんな顔をさせる原因が結婚だけでないと承知ですから。どうかそんなに困らずに」
眉尻を下げて瞳を伏せるソニアに、クリスはそう付け足す。