呪われ姫と強運の髭騎士
ソニアも溢れそうになった涙を指で拭うと皆に笑って見せた。そうして身体を起こし、背筋を伸ばす。
「そうね! でも、今はこの長持ちの中を片付けて、それから生誕祭に着ていく衣装を新しく注文しなくては! 全部作り直しだから忙しくなるわよ!」
はい! とそこにいた全員が元気に声を出し返事をすると、キビキビと自分の仕事をこなしていく。
ソニアは、穏やかな顔でその様子を眺めているクリスに近付き恐る恐るながらも、しっかりと彼の手を握った。
その行為に驚いたのはクリスだけでなく、本人のソニアもだった。
「良かった! ビリッとこないわ!」
嬉しそうに手を握るソニアに反して、クリスの反応は意外なものだった。
「そ、そうですな……! 良かった良かった!」
――明らかに動揺している。顔もほんのりと血色ばっている。
「そうね! でも、今はこの長持ちの中を片付けて、それから生誕祭に着ていく衣装を新しく注文しなくては! 全部作り直しだから忙しくなるわよ!」
はい! とそこにいた全員が元気に声を出し返事をすると、キビキビと自分の仕事をこなしていく。
ソニアは、穏やかな顔でその様子を眺めているクリスに近付き恐る恐るながらも、しっかりと彼の手を握った。
その行為に驚いたのはクリスだけでなく、本人のソニアもだった。
「良かった! ビリッとこないわ!」
嬉しそうに手を握るソニアに反して、クリスの反応は意外なものだった。
「そ、そうですな……! 良かった良かった!」
――明らかに動揺している。顔もほんのりと血色ばっている。