呪われ姫と強運の髭騎士
 それに有力者・クレア家の城でもあるから、相当に金を使い絢爛豪華に仕上げた内装だと分かる。
 
 ――なのに、この場所を放棄して城内に個別に礼拝堂を造るなんて
 
 ソニアの疑問は尽きない。

(それに…)
 
 知らず腕を組み身を縮めるほど寒いし、ステンドグラスからあんなに日が差し込んでいるのに、薄暗く感じる。

「クリス様……私、ここ合わないみたいです」
 ぎゅっと、胸元のロザリオを握り締めながら言った。

「そうですね……」
 
 クリスも何か感じることがあるのか、言葉少なく答える。
 
 二人忙しく礼拝堂から出ると、クリスは再び閂をかけた。
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