たんぽぽの花束を君に
出会い
涼と肩を並べて歩く線路ぎわ。
なんて変わらない道。
涼はフト笑いながら
「そーいえば、もぅそろそろ桜が咲くなー」
「だな」
俺にとってはあまりいい思い出がないのが桜です。
「今年もやんの?バイト」
「まぁ、酒屋のオヤジにたのまれてるしな。毎年の事だから、暗黙の了解ってやつになってる」
「蓮は昔から、酒屋のオヤジに頼りにされてるからなー」
「……」
俺らの地区で桜の有名な河原がある。
この時期になると、たこ焼きやらごみ拾いやら何かと手伝わされる。
毎年毎年、地区のために働く俺。
実は結構いい好青年なんだ。