たんぽぽの花束を君に
花見のシーズンはまだ春休みには早くて、
色々とテントをなおしたり、提灯の準備を昨日からしている。
「オヤジ!これどこ置くの?」
重たい木材を運びながら酒屋のオヤジに話す。
「あー…そこ右に曲がった角に置いておいてくれー」
ねじり鉢巻の酒屋のオヤジ。
木材を置き、ひたいの汗をタオルで拭く。
いつからだろう。
この桜の木がこんなに小さく感じるようになったのは。
あの頃はこの桜の木がすっごいでかくて、
届かないと思ってたのに
今はもう、
ほら…手が触れる。
枝の先を触りながら
俺は昔の記憶に連れていかれた。