たんぽぽの花束を君に


ヤジ先の声と
黒板に何か書く音が

カッカッ と響く。










ふわっ




春の匂いが混じった微かに冷たい風が
窓際の俺の席までカーテンを踊らせた。

「……」

窓から見る空は
青々としていて雲の流れがわかる。
そんな雲の流れとともに、
俺の心の中で
止まっていた何かが流れ始めたような気がした。






< 3 / 13 >

この作品をシェア

pagetop