たんぽぽの花束を君に
コンコン
「失礼します」
あー…何回来てもイヤな所だよな。ここは。
みんないい大人が、目を合わさないで
まるで邪魔って言わんばかりの空気を出す。
ヤジ先の机にそそくさと日誌を置いて
この空気の重い部屋から出ようとした時、
「春休み中にチャラチャラ遊んで他の生徒に迷惑をかけるなよ」
ボソっと言ったのは
あまり顔を出さない理事長だった。
涼は俺を見て、飛びかかるなよと言うように顔を怖ばめた。
わかったよと睨み返し、
カッとくる怒りを抑え込み
軽く会釈をする。
「…まったく」
通り過ぎる足音とともに置いて言った言葉だった。
だから大人ってイヤなんだよ。