シトラス。



「華夏!!持ってきたよ!片付けちゃお!」






ひよりが息を切らして戻ってきた。






「ありがと!ごめんね、ホント」






ひよりはいい子だ。


二次元のことになると…まあ、あんな感じだけど。


心友!っていうような代物ではないけれど、一緒にいると心が温かくなる人だ。






「…私も…やるよ」





小さなその声は、谷地さんだった。






とても申し訳なさそうに、目には涙を溜めて俯いている。







「ごめんなさい…私のせいだ…」






「……違うよ」




ひよりが少し怒ったような声で答えた。






「…あなたが悪いわけじゃない。アイツらでしょ、犯人」





そう言って、廊下の端で固まってる女子達を指さした。






ふと谷地さんの足元を見ると、上履きが無く、貸出用のスリッパだった。






そーゆーことね。。。

どこまでもゲスいな、あの子達。




女子こわし…。
< 48 / 65 >

この作品をシェア

pagetop