こんなにも君が好き
次の日、彩香といつものように電車に乗る。

「昨日、先帰っちゃって、ごめんね。」

彩香が窓の外を見たまま言う。

「いや、俺こそごめん。遅くなっちゃったし。」

彩香は窓の外を見たまま返事をしない。


綺麗で小さい手がパタパタ動く。

「あっつい。」

ショートカットの髪がかすかに揺れる。


彩香はこっちを見ない。

どうしたんだろう。

いつもなら弾むはずの会話も、

止まったまま。


俺、そんなに怒らせちゃったかな...

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