婚約指輪
そう言って出て行く悠の背中を思わず追いかけた。

「あの、おめでとう。あと、里乃によろしく。」

それだけ言うと急いで仕事に戻った。



涙をこらえるだけで精一杯だった。


こんな想い、もうとっくに忘れたと思ってたのに。


振られたのに。


なのに、なんで私の店に......!


大好きなふたりをちゃんと祝えない。


神様はいじわるだ。





< 17 / 36 >

この作品をシェア

pagetop