婚約指輪
数時間後、私のスマホがなった。

電話、里乃からだ。

珍しいな。

悠が言ったのかな?

「はい、もしもし、上村です。
里乃?久しぶり~!」

久しぶり って言った里乃の声は硬かった。

「あの、さっき、悠が車に轢かれたの。
危ないから、会わせたい人呼んでって。」


気が遠くなりそうだった。


里乃が告げた病院に急ぐ。

オフィスの外の暗い空に、

星がただ瞬いていた。
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