婚約指輪
見慣れたドアを開ける。

早朝だというのにオフィスには先客がひとりいた。

「おはようございます。」

と声をかけると、同僚の杉本がパソコンから顔をあげた。

「おはようございます。

あ、上村、昨日の夜10時に予約のメールが入ってたから、

チェックお願い。」

「わかった。」

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