反逆の騎士長様



と、次の瞬間。

私の脳裏に、記憶と共にガルガルの声が響いた。



“何十年か前に小鳥達が運んできた宝石ガル

お礼とお詫びに、それをあげるガル。”



「あーっ!!!!」



「ぎゃぁっ!!」



私が大声を出した瞬間、隣のラントがつられて声を上げる。



「お、お前、急に大声出すなよっ!」



「ねぇ、ラント!思い出した!!」



「話聞けよ…!」



私は、眉を寄せるラントに早口で言う。



「私、この女神像のもう片方の瞳を持っているかもしれないわ!」



「…あ?お前が盗んでたのかよ?」



「違う!!」



私は、ラントの服をばっ!と掴んで言葉を続けた。



「ガルガルに貰った宝石が、この女神像の瞳だったかもしれないの!

部屋に置いてある鞄に入ってるはず…!」



「お、おい?!引っ張るなっ!」



私は、ラントを連れて奥の部屋へと駆け出したのだった。



**

《ロッドside》



「…ふぅ…。」



小さく息を吐くと、冷たい空気が自然と肺の中へと入ってくる。



…何をやっているんだ、俺は。



バルコニーの柵にもたれかかるようにして、顔を伏せる。



…よりにもよって、アルトラと姫さんの大事なシーンで邪魔に入るだなんて、どうかしてる。


挙げ句の果てに、抱き締めて…



“…アルトラの嫁になるのか…?”



…口が滑った。



ぐっ、と眉を寄せたその時

キィ…、とバルコニーの扉が開く音がした。


背後を振り向くと、そこには琥珀色の髪の青年の姿。



「どう?呪いは解けた?」



「アルトラ……。」



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