反逆の騎士長様
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私が、はっ!として足を止めると、王妃様は近くのランプに近づいて、その炎に向かって手をかざした。
…ポゥ…!
王妃様の瞳が魔力で輝いた瞬間、揺れる炎の中にぼんやりと何かが浮かび上がってくる。
「!あれは…、“呪いの呪符”…?」
炎の中に浮かび上がった光景は、以前見たことがある光景によく似たものだった。
細い道のあらゆる場所に足止めの呪符が貼られていて、その奥には大きく厚い扉。
そしてその扉の先にあるのは、巨大な魔法陣に囲まれた一本の柱。
ぐったりとした様子の男性が、その根元に座り込んでいる。
…あれは、ロッド様の囚われていた牢…?
地下牢の構造がノクトラームと同じだとしたら、きっと今私達がいる道の先に、王様がいる地下牢へと続く道がある…!
私は、王妃様の手を取って言った。
「行きましょう!
きっと、王様の牢はこの先です!」
私の言葉に、王妃様は衰弱した体を奮い立たせるように頷いた。
彼女を気遣いながら、私は細い道を見逃さないように地下牢の壁を観察する。
…確か、この辺にロッド様の地下牢へと続く道があるはず…!
すると、王妃様が、はっ!とした様子で声を上げた。
「セーヌさん、あそこですわ!」
!
彼女が、ある一方向を指差した。
素早くその方向へと視線を向けると、そこには呪符の貼られた細い道がある。
どくん…!
心臓が、大きく音を立てた。
「王妃様、行きましょう!」
「えぇ…!」
私達は、顔を見合わせて頷き合い、呪符の貼られた道へ足を踏み入れた。
タッタッタッ!
私が一歩奥へと進む度に、壁に貼られた呪符が破れ落ちていく。
やがて、目の前に大きな扉が現れた。
見るからに強力な呪符が所狭しと貼られている。