誰にも言えない秘密の結婚




「おっ!来たな。新婚さん」



社長はそう言ってニコニコ笑っていた。


テーブルを挟んで社長の前に藤原さんと並んで座る。



「何飲む?」



社長がドリンクメメニューのページを広げる。


ずらーっと並んだドリンクの名前。


ビールだけで何種類あるのか……。


てか、ドリンクの値段を見て目が眩んだ。


高い……。


ドリンクでこの値段だから、食事メニューはもっとするはず……。



「俺、ハイボールにしよ」


「拓海はハイボールね。明ちゃんは?」


「あ、えっと、ウーロン茶で……」


「明ちゃん、飲めないの?」


「はい……すみません……」


「謝らなくていいよ」



社長はそう言って優しい笑顔を見せた。


どこかで見てたのか、それとも部屋の前で聞いてたのか、絶妙なタイミングで和服を着た店員さんが入ってきた。


社長がドリンクと食べ物を頼んでいく。



「コース頼むより、単品で頼んだ方がいろいろ食べれるだろ?」



そう言ってたけど……。


値段を見ないで次々と注文するのは、さすが社長。




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