神様の涙
プロローグ
俺の名前はスターチス・カラジウム!
俺が生まれ育った村は365日全部雨。
降り止まない雨にはなんでも、古い言い伝えがあるらしい。その言い伝えは村長を務める俺の祖父、
コスタスじいちゃんから耳にタコができるくらい聞かされた。
その言い伝えはこうだ。
『ーーーーむかーし、昔、ある村に人間界に憧れ人間として生活をするとても美しい女神が住んでいた。
その女神は人間の娘の姿をしていた。
身寄りもなく、決して裕福ではない生活だったが心根は優しく村人たちに愛されていた。
もちろん、村の男達からは数え切れないほど求婚をされ誰もがその娘の特別になりたがった。
しかし、当の娘は神様である事を隠していた為、
求婚を全て断り静かに暮らしていた。
そんなある日、娘はある男と恋におちた。
その男は勇敢で優しく、誰よりも娘を愛した。
『誰よりもお前を愛し、守り抜くと誓う。』そう娘に約束を交わし、伴侶に迎える事が決まった。
娘は幸せだった。自分が神様で相手が人間であることを忘れてしまうくらいに…
けれど、幸せな日々はそう長くは続かなかった。
娘を伴侶に迎えて10年目の事だった。いつもなら笑顔で家に帰ってくる夫が何か思い詰めた様な顔で帰ってきたのだ。
『何かあったの?』
心配になった娘は夫に問いかけた。
暫く沈黙した後に夫は最愛の妻である娘に酷く冷たい目で言った。
『何か…?何かあるのは
お前の方だろ?俺に何か隠してるだろ。』
何の事かわからないという顔をした娘に夫は続けざまに問い詰める。
『村中の奴らが言ってた。
お前…人間じゃないんだってな…?…』
娘は真っ青になった。今の今まで自分と愛する者が別の生き物である事を忘れていた事を思い出したのだ。
『…っ!』
言葉が出なかった。何て言ったら良いのかどうすれば良いのかわからずただただ立ち尽くす事しか出来ない娘に更に夫は追い打ちをかけた。
『…やっぱり、そうだったんだな。
おかしいと思ったんだ。
結婚してから10年も経って俺はどんどん
老いていくのにお前は出会った時の姿のままだ!
俺の事を騙していたんだな!!!』
優しかった夫からは想像が出来ないほどの大声で怒鳴られ娘は咄嗟に
『黙っていてごめんなさい!
でも、違うの。騙すつもりは無くて
ただ貴方と一緒に居たかっただけなの!』
と、震える手で夫にしがみついた。
…が、夫の答えは、、、
『…っ、触るな!気持ち悪い!
このっ、バケモノ!!!!』
そう言い放ち娘を突き飛ばして
家から出ていった。
それっきり夫は帰ってくることはなかった…
娘は泣き続け、ついには嘆き呪いながら天へ帰っていった。
人間はなんて心無い生き物
違う者を受け入れられない愚かな生き物
そう心に刻み込んで…
それからだ。
その村の雨が止まなくなったのは…』
これが言い伝えの全てだが、この物語に出てくる“ある村”ってのが俺の生まれ育った村だそうだ。じいちゃん曰く、女神様が未だに空の上で嘆き悲しみ泣き続けて“呪い”をかけているから雨が止まないらしい。普段の俺だったらたいして興味ない話だが今回はそうもいかない。
なぜなら、長年の雨で村の作物は腐り果て土地は弛み病に倒れる者が増え始めたからだ!これ以上被害が拡大する前に、何とかして神様に呪いを解いてもらわなければならない!
その為、村長の孫である俺は村の代表として神様を探す旅に出る事になった。幼馴染のポプラと共に…
俺が生まれ育った村は365日全部雨。
降り止まない雨にはなんでも、古い言い伝えがあるらしい。その言い伝えは村長を務める俺の祖父、
コスタスじいちゃんから耳にタコができるくらい聞かされた。
その言い伝えはこうだ。
『ーーーーむかーし、昔、ある村に人間界に憧れ人間として生活をするとても美しい女神が住んでいた。
その女神は人間の娘の姿をしていた。
身寄りもなく、決して裕福ではない生活だったが心根は優しく村人たちに愛されていた。
もちろん、村の男達からは数え切れないほど求婚をされ誰もがその娘の特別になりたがった。
しかし、当の娘は神様である事を隠していた為、
求婚を全て断り静かに暮らしていた。
そんなある日、娘はある男と恋におちた。
その男は勇敢で優しく、誰よりも娘を愛した。
『誰よりもお前を愛し、守り抜くと誓う。』そう娘に約束を交わし、伴侶に迎える事が決まった。
娘は幸せだった。自分が神様で相手が人間であることを忘れてしまうくらいに…
けれど、幸せな日々はそう長くは続かなかった。
娘を伴侶に迎えて10年目の事だった。いつもなら笑顔で家に帰ってくる夫が何か思い詰めた様な顔で帰ってきたのだ。
『何かあったの?』
心配になった娘は夫に問いかけた。
暫く沈黙した後に夫は最愛の妻である娘に酷く冷たい目で言った。
『何か…?何かあるのは
お前の方だろ?俺に何か隠してるだろ。』
何の事かわからないという顔をした娘に夫は続けざまに問い詰める。
『村中の奴らが言ってた。
お前…人間じゃないんだってな…?…』
娘は真っ青になった。今の今まで自分と愛する者が別の生き物である事を忘れていた事を思い出したのだ。
『…っ!』
言葉が出なかった。何て言ったら良いのかどうすれば良いのかわからずただただ立ち尽くす事しか出来ない娘に更に夫は追い打ちをかけた。
『…やっぱり、そうだったんだな。
おかしいと思ったんだ。
結婚してから10年も経って俺はどんどん
老いていくのにお前は出会った時の姿のままだ!
俺の事を騙していたんだな!!!』
優しかった夫からは想像が出来ないほどの大声で怒鳴られ娘は咄嗟に
『黙っていてごめんなさい!
でも、違うの。騙すつもりは無くて
ただ貴方と一緒に居たかっただけなの!』
と、震える手で夫にしがみついた。
…が、夫の答えは、、、
『…っ、触るな!気持ち悪い!
このっ、バケモノ!!!!』
そう言い放ち娘を突き飛ばして
家から出ていった。
それっきり夫は帰ってくることはなかった…
娘は泣き続け、ついには嘆き呪いながら天へ帰っていった。
人間はなんて心無い生き物
違う者を受け入れられない愚かな生き物
そう心に刻み込んで…
それからだ。
その村の雨が止まなくなったのは…』
これが言い伝えの全てだが、この物語に出てくる“ある村”ってのが俺の生まれ育った村だそうだ。じいちゃん曰く、女神様が未だに空の上で嘆き悲しみ泣き続けて“呪い”をかけているから雨が止まないらしい。普段の俺だったらたいして興味ない話だが今回はそうもいかない。
なぜなら、長年の雨で村の作物は腐り果て土地は弛み病に倒れる者が増え始めたからだ!これ以上被害が拡大する前に、何とかして神様に呪いを解いてもらわなければならない!
その為、村長の孫である俺は村の代表として神様を探す旅に出る事になった。幼馴染のポプラと共に…