Good-Bye my child


洸輝と付き合い始めた時、私は既に上京することが決まっていた。


今働いている会社を辞めて、夢を追いかけるために。


私は声優になりたいという夢を持っていた。


洸輝と付き合い始めた時には既に声優学校の入所試験を終えていて、合格通知も届いていた。


通うのが春からだったので、キリよく年明けの3月末に退職しようと準備していたのだけど、洸輝との会話の流れで8月末に会社を辞めることになった。


「そういえば私ね、来年上京するんだ!声優学校通うために!洸輝との距離も近くなるね♪」


洸輝は千葉で電気工事関係の仕事をしていた。


「辞めるのって早めたりできないの?」


「出来ると思うけど、どしたの?」


「早く一緒に住みたいって思ってさ、できれば秋頃から」


「私もできるならそうしたいけど、洸輝は大丈夫なの?」


「今からお金貯めれば大丈夫!」


洸輝からの申し出が嬉しかった。
私は8月末に退職することにした。


「なら、会社の方には8月末に辞めるって伝えておくね」


洸輝を喜ばせるためなら何でもしてあげたい、そう思っていた。
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