青空の約束 ~先輩と私の初恋~
「これって映画ならどこかに秘密の扉があって、普段は開かない扉がこの鍵では開けられる!…っていうパターンだよね!?」
「なる、ほどね…」
良く言えば想像力豊か…と言いたいところだが、さすがにそんなドラマの世界の話なんて実際にはない。
「パパ〜映画の見過ぎね。吹季に変なこと教えたらすぐ信じちゃうから言わないでよ。ねぇ、凪」
「確かに」
はい…!?さすがに私でも信じないわ!
心の中で芸人並みに思いっきりツッコミを入れている今の自分は、一生に一度と言っていいくらいのクシャクシャな表情をしているだろう。
「うーっ、はぁ〜…」
お風呂から上がって髪を乾かすと、自分のベッドに転がるように横になる。
テーブルに置いてあった鍵を手に取って部屋のライトに向かって腕を伸ばした。
「開かない扉って…ないない。あるわけないじゃん」