青空の約束 ~先輩と私の初恋~
「……!!」
突然聞こえてきた声の方を見ると、一人の男の人が壁にもたれかかるように立っていた。
「だっ、誰ですか?」
足音も聞こえなかったし…っていうか、いつから立ってたの!?
聞きたいことはたくさんあるのについ声が震えてしまい、何も言えず固まったままその人を見つめることしかできないでいた。
でもそんな私と違って冷静に近づいてきて、ソファに座っていた私の隣に座り
「誰?って、こっちのセリフ。あんたこそ誰?どうやって入ったの?」
そう言うと持っていたパーカーを取り上げられ、おいかぶせるように私の顔の真横に手をつく。
何がどうなっているのか、この状況が理解できず自分の脈だけが早くなっていくのがわかる。
「あっ、あの…っ…白石吹季です。昨日廊下で鍵を拾って、たまたま開けたら開いちゃって…」
今にも飛び出そうなバックバクの心臓を必死に押さえながら、机に置いてある鍵を指差す。