青空の約束 ~先輩と私の初恋~
あの人が立ち去った瞬間、クラスメイトの視線は私に向けられるわけで、その視線は決して良い意味だとは思えないんだけど…
「今の何?ってか、須賀先輩と知り合いだったの!?聞いてないよ!!」
その中でも一番驚いていたのは間近で見ていた那月と亜子だ。
「その…私が落としたカバンを拾ってくれたみたい!優しい人だったね〜」
「カバンをどっかに落とす人なんていないでしょ。っていうか、須賀先輩とどこでどうやって出会ったの!?しかも最後の" あの約束 "って何!?」
那月のガツガツ来る質問に亜子も興味津々に私を見つめる。
その重圧に言葉が詰まるが、さすがにあの部屋のことは言えないし…
「あの人…って、須賀先輩っていうんだ…?」
「え…須賀先輩知らないの?」
今朝初めて見て、名前も知らない男の人。
何もわかってない私の顔を見た途端、那月は呆れるようにため息をついた。