青空の約束 ~先輩と私の初恋~




「須賀先輩のこと知らないの吹季くらいだよ!たしか名前は…須賀 飛鳥(すが あすか)。二つ上の三年生で、今年も先輩を目当てにこの高校に入った子も多いって噂!」


「私の中学にも須賀先輩がいるからこの学校受験するって言ってた子、何人かいたよっ」


情報通の那月は置いといて、周りにあまり興味を持たない亜子でも知ってるなんて、


須賀先輩って…相当有名なんだ。


「学校にもあまり来ないらしくて、校内で見かけたらラッキーなんだって!」


いや、それは多分学校に来てないんじゃなくて、あの部屋で寝てるから…だよね。


まぁ…言いたくても言えないんだけど。


「その須賀先輩って、なんでそんなに人気なの?」


「なんでって…そりゃ顔がかっこいいからでしょ。あと常にマイペースだけどスポーツ万能らしいし。でも彼女は作らないんだって。もったいないよね」


彼女は作らない。


私が知る必要なんてないのに、なぜかその言葉が気にかかった。



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