青空の約束 ~先輩と私の初恋~
放課後、指導室に呼ばれて大きい袋を持たされると指定された場所へ行かされる。
「ここの枯葉とかゴミを袋いっぱいに詰めたら帰っていいぞ。でも終わったら一度また指導室に来るように。まぁ、後から他のやつも来るからすぐ終わるだろ」
私は悪くないのに。なんて言ったところで遅刻は遅刻。
バイト先には遅れると電話を入れ、早速掃除し始める。
「早く終わらせてバイト行かなくちゃ」
放課後とはいえ、夏間近の梅雨の暑さは昼と変わらずムシムシとしていて汗が流れる。
立ったりしゃがんだりを繰り返していくうちに、だんだん意識が朦朧(もうろう)としていくのがわかった。
「や、やばい…力が入らないっ…」
立っている足の力が抜けて足元がフラつく中、何かにもたれ掛かろうと手を伸ばす。
が、伸ばした手で何かを捉える前に全身の力が抜けて倒れそうになったそのとき、誰かが私を抱えて声をかける。
「…い!…おい、どうした?しっかり…」
地面の硬さや痛さと違って、ふわっと持ち上げられるような感触とどこかで嗅いだことのある匂い。
意識が薄れていく中、なぜか落ち着くこの感覚を噛みしめるようにしがみついた。