青空の約束 ~先輩と私の初恋~




「状況伝えたら、今日は休んでいいって」


「へ…?本当にそう言ってたんですか?」


「うん」


正直まだ、少しだけ体調が悪い。だから休んでいいと言われた今、そのまま家に帰れるんだとホッとした。


「じゃ、帰るから」


先輩が門に向かって歩き出す。


「あっ…、あの!いろいろとありがとうございました!いつかお礼させてください」


「じゃあまた会うかもね」


振り返り一言だけ言うと、先輩の背中は門の外へと消えて行った。


そのとき遠くから指導の先生の姿が見えると、その瞬間ここにいる本来の意味に気づかされた。


「ここに置いてあったはずだけど…」


途中まで集めていた枯葉やゴミを探すが、何一つかけらもない。

それだけではなくて使っていたほうきや、一緒に持ってきた袋もなくなっている。


「もしかして…」


先輩がまた会うって言ってたのは放課後のこと。

先生が後から来るって言ってたのは先輩のこと。

そしてその先輩が私の分まで全部やってくれたってこと…


私はまた先輩に助けられたんだ。



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