青空の約束 ~先輩と私の初恋~
ほぼ直線の学校までの道のりを毎日駆け抜けるように走っているのが私、白石 吹季(しらいし ふき)。
高校一年生になって二ヶ月が経った今、苦手な朝と遅刻と毎朝戦っているわけであって…
夏並みの暑さで出てくる汗なんて気にしている余裕がないんです。
「吹季またギリギリじゃん!遅刻じゃなくてよかったね」
「はぁ…っ、間に合った…!セーフ!」
教室に入ると高校で出会って仲良くなった那月(なつき)と、亜子(あこ)が迎えてくれる。それが当たり前の日常みたいになっている。
私たち三人とも中学校は別々だったが、そんなことを感じさせないくらいに一瞬で打ち解けて、出会って二ヶ月だが今では堂々と親友と言えるほどだ。
那月は学年の中でも美人と噂が流れ、亜子は頭が良くて推薦でこの学校に入った。
私なんて顔は中の下で、制服が可愛いと有名なこの高校に入るために必死に勉強してなんとか合格したのに…