青空の約束 ~先輩と私の初恋~
「ねぇ、吹季聞いてる?」
先輩のことで考え事をしていた私に那月が声をかける。
「え?あ、須賀先輩…?」
「重要な話だったのに。聞いてなかったな〜」
「でも須賀先輩って中学の頃はどんなに告白されても彼女作らなかったって、同じ中学だったお姉ちゃんが言ってたよ」
亜子の発言に、私と那月は揃えて釘付けになる。
「ってことは、高校生になって何か心変わりする出来事があったってことね」
「那月考えすぎだよ〜。逆に先輩に彼女がいないことの方が変じゃない?あんなにかっこよくて、優しくて…」
二人の前では平然としているが、本当は今聞いたことを一番気にしているのは、きっと私だ。
いろいろ知りたいな…
そう思うようになっていた。