青空の約束 ~先輩と私の初恋~
「長い間休んでしまってすみませんでした。今日からまたたくさん働くのでよろしくお願いします!」
放課後、学校と同じく久々にバイト先に顔を出した。
「元気になったみたいでよかったわ!じゃあ早速だけど、働いてもらおうかなっ」
いつもニコニコの響子さんが視線を向ける方につられて覗いてみると、厨房のスタッフさん数名と目が合う。
「吹季ちゃんが休んでいたときにね、丁度新作のパンが完成したの。ってことで、味見しておいで。これが最初の仕事よ〜」
楽しそうに笑いながら厨房までスキップで案内する響子さん。
その後ろをついていくと、手招きをしながら笑顔でスタッフの皆さんが迎える。
「…いただきます!」
出来立ての新作のパン。
ふわふわでモチモチの食感に絶妙の甘さが口の中に一瞬で広がった。
ほっぺが落ちるとはこういうことなんだ…!
仕事だということを忘れて完食してしまうほど、私の好きな味だった。