青空の約束 ~先輩と私の初恋~
夕方のピークの時間が過ぎて落ち着いてきた頃、ある事を思い出す。
「そういえば…響子さん!私が休んでいたとき、家にパンやお菓子をたくさん届けてくださってありがとうございました!みんなで美味しくいただきました」
袋いっぱいに入っていた量がまさかの一日半で無くなるという事件。
犯人はパパとお兄ちゃんだとわかっているが…
「喜んでもらえてよかったわ」
「あのとき母から聞いたんですけど、息子さんが持って来たって…」
「そうそう!吹季ちゃんの…二つ上かな?今は一人暮らししてて、ここには月に数回しか帰って来ないからまだ見たことないのね」
もともと朝が大の苦手らしく、家から学校までが遠くて毎日遅刻。それが原因で響子さんも度々学校から呼び出されるようになり、これを機に高校一年の途中から一人暮らしをすることになった。らしい…
「まぁ、知り合いの人が大家をやってるアパートが学校の近くにあって、セキュリティも万全だったから丁度いいかなと思ってね!」
高校生が一人暮らし…、自分では考えたことすらなかったことでかなりの驚きと衝撃だった。