青空の約束 ~先輩と私の初恋~
「あっ…吹季ちゃん!飛鳥も帰るついでに吹季ちゃんを家まで送っていってあげるんだって」
笑顔の響子さんに対して、めんどくさそうにため息をつく先輩。
さっきの二人のやり取りは、無理やり響子さんが説得したのだと誰でもわかる。
「いやっ、いつもの道なので一人で大丈夫です。…お疲れ様でした!」
その場から逃げるようにお店を出る。
また先輩に迷惑かけるなんてことはできない…そう思ったのに、
「すいません…わざわざ…」
「…別に」
結局送ることになり、先輩と横に並んで歩く。
私が行ったあと、私の歩いてる方向へ響子さんに背中を押された先輩の姿がなんとなく想像できる。
「先輩の家、学校の近くなんですよね…?」
「そう。今、逆方向に歩いてんの」
「ですよね…」
また一つ迷惑をかけてしまった。
夜道を心配する響子さんの優しさも感じつつ、先輩には申し訳ない気持ちでいっぱいになる。