青空の約束 ~先輩と私の初恋~




何か取り柄のある二人のことが羨ましいなって何回思ったことか。


「でも吹季にはその明るさといつも前向きな心があるじゃん。私はそんな吹季が好きだけどね」


「たしかに…!那月と以下同文!」


私の顔を覗きながら心を読み取ったかのように話し始める二人は、不自然にニヤニヤと笑っていた。


そんな二人につられて笑ってしまう自分は幸せだな〜と改めて感じる。


その調子のまま授業もあっという間に終わると放課後になり、1日が終わる。ただただ普通の生活が何より楽しいんだ。


「じゃあ私バイトだから」


そう言って那月と亜子とバイバイした後、本日三回目のダッシュで急いでバイト先へ向かう。


「あぁ〜間に合うかな…」


その時、チラッと時計を見ながら誰もいない教室の前を走っていると、何かを踏んだ感触とともにツルッと滑りそうになった。


何かを踏んだというこの光景、テレビとかなら犬のフ◯がベッチャリ付いているんだっけ…?


学校の廊下にあるわけないのに片目だけを開けて恐る恐る確認する私は、バカと思われても仕方ないのかもしれない。



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