青空の約束 ~先輩と私の初恋~
いつもは長く感じる公園から家までの距離が、今日はあっという間に着いてしまう。
もう着いちゃった…
「じゃあ…ここで…」
家の前で先輩と別れようとしたとき、タイミングよく玄関の扉が開き誰かが出てくる。
「あ、お兄ちゃんっ」
一瞬だけ隣にいる先輩のことをチラッと見たようにみえたが、何もなかったかのように私に視線を向ける。
「携帯見ろよ。こんな遅くなったらみんな心配するだろ」
丁度今、迎えに行こうとしていたところらしい。
「コンビニに寄ったら帰り道間違えちゃって…そしたら偶然学校の先輩に会って!あっ先輩、この人が私のお兄ちゃんで先輩と同じ三年生です」
「…どうも。遅くなってすいません」
「いえ…」
ぎこちない会話に、冷や汗をかきそうになるほどの気まずい雰囲気が流れていく。
「今日はありがとうございました。帰り…気をつけてくださいね」