青空の約束 ~先輩と私の初恋~
無理やりその場を収めようとする私の手に自分の持っていた袋を持たせると、学校がある方向へ歩き出し、その背中をただ目で追うことしかできずにいた。
街灯が照らす先輩の影が真っ暗の夜道へと消えていく。
大丈夫かな?と心配しながらも、ちょっぴり寂しくなる気持ちを抑えて家の中に入った。
「おかえり〜!遅かったわね、どこに行ってたの?」
「ちょっとコンビニまで。そしたら丁度家の前でお兄ちゃんと会って」
不安そうに見つめるママとパパに明るく振る舞う。
先輩のことでお兄ちゃんが何か言わないのかとヒヤヒヤしていたが、表情すら変えずテレビの前に座った。
ひとまず安心したと同時にドッと一気に疲れだし、そのまま部屋のベッドへ飛び込む。
「もう着いたかな…まだかな」
気がつけば先輩のことばかりを考えていて、今までの出来事を思い出していると、一人の男の子が頭をよぎる。
「元気かなぁ…」
目に溜まっていく涙を拭って、窓越しの夜空を見上げた。