青空の約束 ~先輩と私の初恋~
「最近、須賀先輩見ないよね?まぁ、元々あまり見ないけど」
「でも前と比べると結構見る回数増えたよね」
お昼時間、ご飯を食べながら話題になったのは先輩の話。
「吹季は何か知らないの?あの日家に送ってもらったんでしょ?」
バイト先が先輩の家だったこと
バイト帰りに公園に行ったこと
そのあと家まで送ってもらったこと
後日そのときの出来事を二人に話した途端、その日から私たちの中での話題の中心は先輩になっていた。
「あのときは特に変わった様子はなかったし、いつもの先輩って感じで…」
「でもあの日からだよね、見なくなったの」
そう、先輩の姿を見かけなくなったのは私を送ってくれたあの日からだ。
帰り道に何かあったのかな…誘拐…!?
ドラマの見過ぎな私にとって、いくつもの最悪な想像が脳内を駆け巡る。
「前に聞いたんだけど、須賀先輩と仲の良い塚本先輩って人が三年生にいるらしいの。須賀先輩のことが心配ならその人に聞いてみない?」
那月の提案で急遽、私たちは三年生の教室に行くことになった。